2016年03月10日 (木)
その三
キットに付いてるものをそのまま取り付けても良いんだけど 永らくこの趣味を続けてると気に入らないところも見えてくる。 そうしたちょっとしたコダワリもプライベーターの楽しみだと言える。 このマスター・シリンダーを固定するボルト キット付属だと、黒染めのキャップスクリューで 当然、サビます。 ボルト強度的には10.9と強いですけど そんな強度はこの部分には不要ですから ユニクロメッキの8.8に変更します。 黒染め10.9のボルトをユニクロメッキすると8.8になります。 JIS規格では明確に強度が区分されていますので 材質が同じでも、表面加工のあるなしでも 強度が落ちるのです。 ロータスがサスペンション部分全般によく使ってるボルトも 同じく、ユニクロメッキの8.8(並目)です。 未だ、自動車メーカーとしては 弱小のロータスが大手自動車メーカーのように 振動に強い細目ボルトを使ったうえ 酸洗いをしない、ダクロタイズド処理の防錆処理で 12.9もの高強度のボルトを使えるのとは 対象的なのですが これもロータスが軽量であることが大前提で 昨今の、V6を搭載した車両が それでも、そうしたボルトを使ってるなら 個人的には失望以外の何でもない感情を持ちます。 まあ、重く大きくなったロータスには そもそも興味が無いから 気にはなるけど、ある意味他人事なんですがね。 ボルトの長さもキット付属は2種類しかありませんでしたが プレートの袋形状に合わせて4種類のボルトを用意して 底づきしないよう変更しました。 文章では表現しづらいのですが ピルビーム側もこのキットを装着するのに それなりの知識と経験を暗に求めている節があり ボルトの底づきも、ワッシャーで調整出来るから 小さな事ですが、コストを考えて それが嫌なら自分達で調達せよ。 的な考えなのだと思います。 このプレートもそうなのですが よく出来ているのでそのまま付けても良いと思いますが 何事も自分で行うプライベーターにとって 付けた事だけに満足する事は出来ず 外した時、再取り付けする時の事も考えてしまいます。 どういう事?かと言うと このプレートは、うまいことペダルボックス裏側にスライドして 装着するよう出来てますが きっちり固定されてる訳では無いので 微妙に動きます。 室内側と室外側となるこの部分 位置がきっちり決まれば動く必要ありません。 なので、最近お気に入りの コニシボンドのSUを使って固定しちゃいます。 黒いボンドは ロータスがクラッシュストラクチャーとフレームを固定しているボンドのようになるから 見た目もロータス純正ぽくなります 完全硬化するのは24時間掛かりますから ボンドを塗布して プレートとマスター・シリンダーマウントを仮組みして その日は帰りました。 思うに、仕事でこんなことしてたら時間工賃を幾らでも 貰えるならまだしも、完成も遅れるし プロはやらないだろう もちろん、それでもする人は 居るだろうし、こうした部分を見ると その人の人となりと言うのが垣間見れるのだと思う。 あくまで 私の持論ですが、最終仕上げのコダワリ部分とか コストの掛け方とか考えたら プライベーターの方が絶対良いもの出来上がると思ってます。 こだわらなければ(知識が無ければ)もちろんプロ以下どころか 危険な完成品になると言う 諸刃の刃とも言えますが、、 そしてここからが 伊達と酔狂のプライベーター必見 無駄のカタマリである ペダルタッチを試す為だけのブレーキ配管製作編です。 自分でも呆れるほどの無駄 心境的に説明すると ノーマル配管を出来る限り活用する為、一度切断や加工すると 切ったものは元に戻らないし、短くなったものは長く出来ない。 なので、最終的には切ったり、加工したりするのだけど ブレーキタッチを試す為だけに 冒険はしたく無い(後悔したくない) なので、作ったテフロンブレーキラインは 最終的には使わない(無駄になる)けど それも楽しみとやってみる!なんですが 同じ自動車趣味でも結果だけを求める人達には 何とも理解出来ない行動なのでしょうね。 配管はいつもの如く ご近所のキノクニさんにて調達します。 ご近所と言えどクルマで小一時間。和歌山方向なので 渋滞とは無縁なドライブ。 それでも訪れるのは、 行って現物見ながらフィッテングをチョイス出来るのもあるし 店頭販売だとカードが使えるのも大きな理由。 色々考えた結果 フロントはダブルバンジョウと90°2本を M10メスタイプで接続 リアはショートのストレートと M10メス 格好は悪いけどこれでとりあえず配管出来る。 こんなふうに来てる純正配管に組み立てたテフロンラインを付けていく そして完成!無駄にステンメッシュホースがのたくってます。 正直、色々と道具を持ってないなら これにて完成!なショップもあるかも?って思いましたが 自分的には無しだな~ そして、最近良く使ってる テスト用、いくら使ってもおさいふに優しい 故に、納得するまでエア抜き出来る モノタロウブランドブレーキフルードにてエア抜きして さあ、どうだ~ 「うん?柔らかい、、」 やっぱりダメかー 「いや、これはまだエア抜けてないわ」 再度、負圧式ブリーダーと踏みながら一回りすると 「おっ、これやこれ、S1と同じフィーリング+強く踏むとさらに確り」 踏み始めも全くフワッと感なく まさしく理想のブレーキタッチ! ピルビームさんありがとう! 信じて無かったけど、推奨通りでした~結果オーライ。 内心、絶対どっちかのマスターが合わないと思ってたから 嬉しい誤算です。 参考までに
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2016年02月20日 (土)
そのニ
ツインマスターを発注の際商魂たくましいピルビームさんは 提案として、配管キットの詳細を送って来てくれました。 内容としては、エアロクイップを使った 既存配管をステンレスメッシュホースに置き換える ある意味一番簡単な配管キット 最近のアールズの品質の悪さもあり 内心ココロが揺れましたが 出来るだけ、メタル配管を使う方が ブレーキタッチも良いし、見た目もシンプルかつ 機能的に見えるので 今回は、見送る事にした。 その分、配管レイアウトや使うバンジョーなど考えながらになるが プライベーターは時間もお金も余裕があるので 悩みも楽しみ!と割りきった。 届いたピルビームのツインマスターは 取説含め、よく考えられたキットで 主要となる(加工主体)ペダルボックス押出材 へのボルト穴やマスターが嵌まる穴加工なども 画像一番下のプレートで位置決め出来るなど 親切かつ丁寧なキットです。 マスターをマウントするブラケットもアルミ削り出しで加工も綺麗だし そのブラケットを留めるナットが溶接された鉄製プレート も、まるで純正品のように考えられていて 押出材裏側からスライドするように入れると 定位置で収まるようになっています。 ただ、残念?な部分が 先ずは、なぜか?黒いブレーキペダル。 純正品番がついてるからオリジナルで間違いないのだろうけど イタダケません。これは今ついてるペダルを使うとして 肝心な、バランスバーのカラーのペダルへの取り付け方法に 問題が? 圧入の割に、加工精度が悪く、上記の様に手で抜けちゃいます。 抜けた後を観察すると、ハンドワークで圧入面を修正しています。 試しに、外した加工前のペダルを測定してみると 穴径26.0mm 抜けたカラー 26.1mm この穴径での圧入の際の基準を m6にしても0.033なので 確かに加工無しでは圧入も出来ないと思うけど だからと言って、ハンドワークで手で抜ける程度まで削るなんて あまりに、お粗末すぎます。 後で交換するにはあまりに作業性が悪い部分ですから 地元九条の機械加工屋さんにお願いして 作りなおす事にしました。 構想1日、加工屋さん10日 材質は、ピルビームは鉄の表面処理なしでしたから SUS304 ステンレス鋼は加工が鉄と比べると少し難しいですが 加工屋さんが優秀なので選択しました。 肝心の挿入部分 そもそも圧入である必要も無いので ベアリングナットと呼ばれる特殊なナットで固定する事に 公差は中間ばめ滑合位で ついでに、バランスバー ベアリング部分の公差をゼロで作り直してもらいました。 ピルビームのは、少し公差が大きく もしかしたら、装着後コトコロするか?だったので 手間と時間とコストは掛かりましたけど ペダルの初期フィーリングに関わるところなので ここは妥協無しです。 そして 取り付け前に幾つか確認です。 取り付けると見えなくなりますので 画像向かって右側がリアのマスター・シリンダー 左がフロントマスター・シリンダー なので、調整的には、真ん中からフロント寄りにしか調整出来ない事が分かりました。 どのようなセッティングでも、リアが先にロックするような ブレーキは扱いにくいだけでなく危険なので ピルビームも基本、リアが利くようなマスター(フロントより小さい) を選んでも 出来る限り(ストロークいっぱい)フロント寄りに 持っていけるよう設計しているのでしょう。 さあ、これでようやく取り付け作業に掛かれます。 前回で、疑問だったマスターサイズの選定ですが いつもの事ながら、demontweeks 経由 本国 ap-racing の納期が伸びに伸び 1月発注→納期10週→3月15日予定→伸びて3月末→伸びて未定 と全く先が見えない状況ですので ピルビームさん奨励の全部Φ15.9mm で試してみる事にしました。 ペダルボックスへのホルソーなどでの穴あけや、ボルト穴などは ピルビームからの解説書に丁寧に書かれているのでここでは省略します。 参考にされたい方は Series 1 pedal box manual.docにてダウンロード出来ます。 rar にて圧縮してますので解凍して下さい。 何度か脳内シュミレーションしてみたのですが 上記画像の様に、ユニットで取り付け出来るとかなりその後の作業は楽になります。 でも、 取り外す時の事を考えると どう考えてみても、マスター付いたままでは入りそうもありません。 スポーツエリーゼのセンターシートなら 恐らくそのまま付けれるのだろうけど 左のバルクヘッドが当たってどうにも入らない。 リアマスター外しても ダメ。 フロントマスター外して 何とか入る感じ。 そうすると、ペダルボックスを組み込んだあと マスターを付けにいく必要が出てきます。 そこで何?が問題だと言えば 単純に、重力の関係で バランスバーの取り付け部分(プッシュロッドが刺さる部分) が下を向くって事です。 もちろん、2人居れば何も問題も無いでしょうけど 一人で作業するなら、この部分を重力に逆らって固定する必要が出ます。 少し考え、ホームセンターに立ち寄り 加工しやすそうなレンガの発泡スチロールを買ってきた。 カッターで切り分け ボンドでパーツを接着して こんな感じで取り付け穴側に向くようにしたら 何とか?無事マスターを装着出来た。 余談であるが イギリスがインチの国であるから仕方ないのだが ピルビーム選定のAPレーシングマスター プッシュロッドが、M8ピッチ1.25とUNF5/16が選べ もちろん、UNF5/16であった。 装着にあたって、バランスバー取り付けナット部分が 渋かったので、知り合いのミニ屋さんに UNF5/16のタップとダイスを借りましたよ。 と言うのも、プッシュロッドが少し長かったので 切断しなければならなく、そうすると必然 ダイスでねじ山を整え無いとあんな狭いところで 悩む事になると思ったので、、 この手のパーツで何も悩まず全て思った通り完成する 何て夢みたいな事思って無かったけど 考えてみても、ここまででも色々問題あったな~ そしてようやく またまた続きます。 |
2016年01月15日 (金)
続き
久しぶりにカウルを外した事で、前々から気になってた事の解決を図ることにした。 自称ブレーキフェチな管理人であるが エリーゼのブレーキは フロント APレーシング製対向4podキャリパー リア 英国ハイスペック社製対向2podキャリパー に変更している。 エリーゼのフロントブレーキは 古くからある、CP5XXX系の対向2ポッド(DIMENSION'D'130) のロータスオーダー品で ピストン径が Φ44.5 44.5/2=22.25 22.25*22.25=495.06(円周率は同じ為以後省きます) 対して純然たるレーシングキャリパー(古い設計ですが、、) CP4XXXのピストン径は Φ31.75(1.25inc) 31.75/2=15.875 15.875*15.875=252.015 252.015*2=504.03 とほぼおなじピストン面積なので ブレーキの油圧レシオは、ほぼ同じなんですが リアの方は 純正ブレンボ片持ちキャリパー ピストン径(こちらデータ無いので実測ですが) Φ37 37/2=18.5 18.5*18.5=342.25 ハイスペック社製2pod Φ41 41/2=20.5 20.5*20.5=420.25 と20%ほど面積が大きくなっています。 タンデムマスターの機構上、リアから液圧が掛かりますので フィーリング的には 最初少しフワッとした後カチッとしたタッチになる。 が予想されますが まさしくこの通りのタッチで 自分のクルマだけ乗ってる分には気にならないレベルで 恐らく指摘されるまで、分からない程度のフィーリングだったんですが 何気に、シリーズ1のノーマルブレーキ(マスターバック無し) と乗り比べしたら 「あれっ、ブレーキタッチこんなに最初からカチッとしてたんだ~」 と気づいてから、心の奥で 何時か改善しよう!と誓ってから1年。ようやく実行する機会が訪れました。 そうです、古くからエリーゼのパフォーマンスアップサードパーティである ピルビームさんの パラレルツインマスターで問題解決!です。 思い立ったが吉日です。元旦のその日にピルビームに問い合わせしました。 I used Front caliper , Φ31.75mm × 4, rear caliper is 41mm × 2. Selection of a suitable master cylinder , front Φ19.1 and rear Φ22.2? The brakes touch in front does not have any problem firmly. Some brakes touches behind are loose. Front 31.75/2=15.875 15.875*15.875=252.0156 252.0156+252.0156=504.0312Π Rear 41.28/2=20.64 20.64*20.64=426Π 後日分かりますが、タンデムマスターとツインマスターでは テコ比が同じでも、力点が違いますので、タンデムマスターと同じサイズにはなりません。 故にタンデムマスターと同じサイズを問い合わせた。完全に勘違いメールとなってしまいました。 それに対してピルビーム側の回答が I calculated the master cyls and all three will be 5/8! (15.8mm) diameter to give you a good balance and pedal pressure. As you say it is a CP4623 part which has a specially short travel and works very well. と前後とも、15.8mmサイズのマスターを奨励されました。 ここで個人的に疑問が発生します。 リアのタッチが悪い(深い)なら、リアのマスターはフロントより大きいか もしくは、フロントの方がマスターが小さくなくてはならない?のと違うの。 この辺り、ブレーキタッチは人によって好みがありますので ピルビーム推薦も自分のタッチと合うのか?分からなかったため とりあえず、このサイズで発注して 微調整の為15.9mmの前後サイズ 15.0mmと16.8mmをdemontweeksで発注する事にしました。 支払いをペイパルで行い 1月11日に出荷完了のメールを貰い それから数日してペダルボックスキットが届きました。 事前に取説をメール添付して貰っていたので 大まかな構造と取り付け方法を把握してましたが ↑ここに装着するのは、結構骨の折れる作業になる予感がします。 作業前に確認の為撮影して確信したのですが ↑この部分にバランスバーとツインマスターのプッシュロッドが来ますが 加工含め、ここでは作業したくないスペースですし 上向きで頭を突っ込んで作業するなど頭に血が登りそうな無理体勢です。 ↑こちらの方向からだと分かりやすいですが そもそも、ペダルを外す場合は、完全にボックスで隠れてる ペダルを釣っているシャフトを抜く必要があり シャフトを抜くには、ベダルボックス毎フレームから脱着するほか無いみたいです。 余談になりますが、今回作業するにあたって 事前にエリーゼショップコムにて、ペダルボックスオーバーホールキット なるものを購入してたのですが、作業して分かりましたが、 これはこれだけ交換の為作業するなんて とてもじゃないけど、出来ないな~って事です。 作業的には 1 ブレーキフルードを抜き、タンデムマスターを外す。 2 クラッチフルードを抜き、クラッチマスターを外す 3 室内側アクセルワイヤーを外し引きバネを外す 4 ボックスを止めている、M10のボルト6本を外す 5 防水?の為塗られているシール材を削除する。 これで外れますが、M10のボルトが恐らく単純に10のレンチだけでは 回せない(狭すぎて)ので、工具揃えに自信の無い方は 手を出さない方が無難でしょう。 ピルビームの断面図が分かりやすいのですが 片側3本のポルトでサイドからサンドイッチされている構造です。 サンドイッチされてる袋の中にシャフトが通ってる為 シャフトを抜く(ペダルを外す)には必ずボックス毎脱着する必要があります。 長くなったので続きます。 |